• 感情の整理・メンタルケア
  • 第7回 涙が出ない人へ:涙は弱さではなく、心のバロメーター

    はじめに

    ドラマや映画を観て、
    周りは涙を流しているのに、自分だけ平然としている。

    つらいはずの出来事が続いても、
    「泣きたいのに、涙が出てこない」。

    そんな自分を見て、

    「私って冷たいのかな」
    「どこかおかしいのかもしれない」

    と不安になる方もいます。

    今日は、
    「涙が出ない」ことの背景 と、
    心との向き合い方についてお話しします。


    1. 涙が出ないのは「感情がない」からではない

    涙が出ない人の多くは、
    むしろ とても繊細 で、いろんなことを感じ取ってきた人です。

    • 子どもの頃から泣くと怒られた
    • 泣いても状況が変わらない経験をしてきた
    • 周りを支える役割をずっと担ってきた

    こうした経験が重なると、
    心は自分を守るために、
    「感じる力にふたをしてしまう」 ことがあります。

    「もう、これ以上つらくならないように」と。


    2. 涙は「心のバロメーター」

    涙は、弱さの証拠ではなく、
    心の中にたまっていたものが
    安全な場所で外に出てきたサイン です。

    • 悲しくて流れる涙
    • うれしくて流れる涙
    • 安心してホッとして流れる涙

    どの涙も、
    「心が動いている」というバロメーター。

    だから、涙が出ないからといって、
    あなたに感情がないわけではありません。


    3. 涙の前に、「安心できる場所」が必要

    涙が出るために必要なのは、
    「泣いても大丈夫だと思える場所」 です。

    • 泣いても責められない
    • 話が途中で遮られない
    • 「もう十分頑張ったね」と言ってもらえる

    そんな環境に身を置くことで、
    少しずつ、心は緊張をほどき始めます。

    一人でいるときに
    好きな音楽を流してみる、
    静かな喫茶店でノートを書いてみる、
    信頼できる人に付き合ってもらう…。

    あなたなりの「ほっとできる場所」「ほっとできる時間」を
    少しずつ増やしてみてください。


    4. 涙が出ない自分を、責めないでいい

    一番お伝えしたいのはここです。

    涙が出ないからといって、
    あなたが冷たい人なわけではありません。

    むしろ、
    「泣いてしまったら立ち直れない」と感じるほど、
    ずっと踏ん張ってきたのかもしれません。

    涙が出ない今の自分に、
    こう声をかけてみてほしいのです。

    「今は、まだ泣けないだけなんだね」
    「ここまでよく頑張ってきたね」


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